2011-06-17

国技について思った・・・コト

頻繁に観なくなって久しいが・・・NHL

それでも昨年のバンクーバー五輪は、ひとりTV観戦で盛り上がっていた。
ま、五輪という事でNHLじゃないけど、ほとんどNHL。
面白かったよ。

カナダが劇的な勝利で金メダルを獲ったのだが、
カナダチームの、自分たちの国技でアメリカに負けてなるものか!
という意地も感じたし、ファンの喜びもすごく感じたし、
また、アメリカチームも6人攻撃を仕掛けて延長戦に持ち込んだし、
アイスホッケーという競技の面白さを充分に堪能できた。

しかし、今年のNHLスタンリーカップは、どうかと思う。
確かにバンクーバー・カナックスはカップを逃してしまったが、
ファンの皆さん、暴動はいかがなものか・・・

別に、アメリカ至上主義でもないし、
アメリカ人擁護論者でもないが・・・
バンクバー五輪では、アメリカが負けた時に暴動は無かったはず。
(国技じゃなかったからか?)

今回は、どこぞのフーリガンより酷かったのではないだろうか。
8000万円以上の被害を被った店もあったらしい。

・・・

ちょっと、見る角度を変えてみる・・・

国技、というモノに対する感情の違いや、
そのシステムの違いはあるかもしれないし、
今回のバンクーバーのような暴動はどうかと思うが、
日本の国技ファンは、そこまでの熱い思いはあるのだろうか。

かく言う自分も冷めているのだが・・・

しかし、日本の国技も、
NHLやMLB、NBAのように国際的な組織として運営されていたら、
またファン層も変わってきて、盛り上がり方も違ってくるのだろうか。

外国人力士もいるにはいるが、
日本の国技というシステムにスポイルされ、
日本の社会の中でも、もの凄く特殊な社会の中で育てられ、
日本語もどきの四股名を与えられ・・・
などなど、
その実態は外国人力士ではなくなっている、
もしくは、少なくとも中身は外国人力士に見えないように、
作り変えられてしまっているように思える。

ま、個人競技と団体競技という違いもあるので、
一概には比べられないが・・・

プロスポーツとして、ファンを獲得しファンを楽しませる、
という事を大切な事と捉えるならば、
柔道や剣道のような団体戦も設けるなどのリーグの改革を行い、
国際化しても面白いかも、などと思ってしまった。


おっと、話は戻って・・・

バンクーバーの暴動は若者中心だったらしいが、
荒れてしまった街の片付けのボランティアもまた、
若者中心だったようだ。

なんだかなぁ。


にしても、ボストンの遅咲きスパーゴーリー、Tim Thomas。
スタンリーカップで完封ゲーム2つというのは、やっぱり凄い。
しかも、最終戦では37歳にして37本防いだって・・・
プレイオフMVP受賞も納得。

2011-06-13

組織の中での各人の仕事(もしくは、エース考)

NBAファイナル。

ダラス勝ちました! 個人的には、すごく嬉しいです。

今回、観ていて色々と思ったのが、
“組織の中での各人の仕事”について。

マイアミは、ビッグスリーといわれる3人のエース格のプレイヤーがいる。
一方ダラスはというと、エースはノビツキー1人。
(テリーを準エースという方々も多々いらっしゃると思いますが、
 置いといて・・・)

よって、自然と総合力で勝ちにいくプランを
ダラスは立てねばならない。
よって、プレイヤー各人の
「自分の役割をキッチリと遂行する」という意識が重要になってくる。

勿論、マイアミのプレイヤーにもその意識はあるのだろうが、
意識レベルの差が、明暗を分けたように思う。

いい例が、今日のゲームでもあったのだが、
ビッグスリーの身体能力の高さに頼ったプレイが
多くなってしまいがちなため、
キチンとボックスアウトをせずに、
オフェンスリバウンドをダラスに獲られてしまう、といったシーン。

また、点差をつけられてのゲーム終了間際、
なんとなく、あきらめムードに見えてしまうような動きになってしまい、
ビッグスリーにもそれが伝染して、イージーミスを連発してしまう・・・
といったような、
組織ではなく個人に頼ってしまった感が強かったがゆえの敗戦。

かの黄金期のシカゴも、
最終的にはマイケル・ジョーダンに頼ったようなカタチに見えるゲームが
多々あったように思うが、
トライアングル・オフェンスという、
組織力をフルに発揮するシステムがあり、
各人がそれを理解し役割を遂行し、
マイケル・ジョーダンにフィニッシュを委託するという根本があり、
そこがマイアミとは違った結果をもたらしていたのではないかと思う。

エース以外のプレイヤーが各人の役割を遂行し、
不調のエースをフォローし、
かつ、エースにエースの仕事をさせるという事が、
チームという組織を機能させ、
それが結果を生み出すのではないかと思った。

その例は、やはりダラスにより多く見受けられた感がある。

分かりやすかったのが、またしても今日のゲームでの事だが、
前半絶不調だった“エース”ノビツキーに対する、
ダラスのメンバーの仕事ぶり。

各人が役割を遂行しながらチームを支えてリードを保ちつつ、
ここぞという時には、
不調が分かっていながらもノビツキーにシュートを打たせ、
感覚を取り戻させるというシーンが多々あり、
結果をみれば、やはりノビツキーは20得点以上をあげ、勝利。
そこには勿論、メンバーからの信頼もあっただろう。

そして、それに応えたノビツキーもまた、
自分の仕事を遂行したのである。

話は“エース”という仕事に片寄るが・・・
解説の倉石氏がこんな事を言っていた。
(若干の言葉の違いはあるかもしれないが・・・)

「ここぞという時にフィニッシュを託せるのがエースであり、
よしんば決められなかったとしても、
誰もが納得できる存在がエースであり、
でもやはりエースというのは、
ここぞという時には絶対決めなければならない」

ノビツキーは発熱と戦い、
絶不調と戦ったなどのシーンもあった今ファイナルだが、
最後の最後、決めるべき時に決めるという仕事を見事に遂行した。

が、最後の最後というシーン以上に凄いと思ったのが、下記のスタッツ。

Game1:12/12
Game2:3/3
Game3:9/9
Game4:9/10
Game5:10/10
Game6:2/2
トータル45/46。
確率97.8%

これ、ファイナルにおけるノビツキーのフリースローのスタッツである。
ファイナルというプレッシャーの中で、
ゲーム終了間際というシーンよりは地味かもしれないが、
確実に点を獲れる時に獲るという、
これもまた、決めなければならない時に決めるという仕事なのだと思うと、
マイアミのビッグスリーのフリースローパーセンテージとの差は、
数字以上にその意味が大きかったのではないだろうか。

各人の仕事ぶりを個々別に挙げていくと、
言いたい事は沢山あり、
冗長になってしまうので“エース”に寄った話になったが・・・

一つ、マイアミについて。

そうはいってもスポルストラHCは、
なんだかんだとマスコミに言われてきながらも、
ビッグスリーを抱えて難しいと思われた舵取りを遂行し、
マイアミをファイナルに導いた功績は大きいと思う。

来シーズンのマイアミは、もしかしたら怖い存在になりそうに感じた。
勿論、このままでは怖くないけれど、
必ずや、問題点を解消してくるだろう。
そうでなければNBAじゃない! よなぁ・・・
(あ、そうしたらシカゴも、もっと怖い存在になるよなぁ・・・)

そしてNBAに、総合力というスタイルが改めて、やって来るのかも・・・


余談。
「ここで貴重なスリーポイントを決めました、ジェイソン・キッド38歳!」
「やはり見事なゲームコントロールです、ジェイソン・キッド38歳!」
「非常に冷静。落ち着いています、ジェイソン・キッド38歳!」
などなど・・・
NHKのアナウンサーは、
「ジェイソン・キッド38歳!」と、キッドの年齢を連呼するシーンが多く、
苦笑してしまった。
まぁ、NBAキャリア17年のファイナル先発最年長記録の
キッドに対するリスペクとだとは、分かっているんだけど・・・